いろんな方法があると思いますが、おすすめをご紹介します。

まずは2つの遺言書を比べてみてください。
(内容をわかりやすくするため、あえて法形式にはしたがっていません。)

よくある形式
遺言公正証書

遺言者は、下記の者にそれぞれ次の財産を相続させる。

        長男 一郎   自宅の土地建物(価値4,000万円)
                会社の株式  (価値7,000万円)     
        長女 花子   A預金 800万円

おすすめの形式
遺言公正証書

遺言者は、下記の財産をそれぞれ次のとおり相続させる。

        長男 一郎   自宅の土地建物(価値4,000万円)
                会社の株式  (価値7,000万円)     
        長女 花子   A預金 800万円

(付言事項)

  一郎、お前は人生の伴侶を得て子供も生まれ、これからも家族を守るため、そして一人の経営者として、さらに汗を流してがんばっていかなければならないだろう。悔しいこと、理不尽なこと、辛いこと、たくさんの荒波にもまれることとなるが、それでも家族や花子に弱い姿はみせるな。どうしてもくじけそうなときは父さんと酒でも飲もう。いつかお前が父さんの真意に気づいて、仏壇の前で父さんの存在がお前を勇気づけられるなら、こんなにうれしいことはないからな。

  花子は、目のなかにいれても本当に痛くなかった。体の半分はあるんじゃないかと思うランドセルを背負い「パパのお嫁さんになる」なんて言いながら進んだ小学校。いつしか父さんの服といっしょに洗うことを拒否しだしたっけな。こっそり寝顔を見ながら、命にかえても幸せにすると誓って、必死に仕事をがんばることができた。
最初の給料で買ってくれたネクタイは父さんの宝物です。お前は母親になったけど、でもいくつになっても父さんにとって最愛の娘で、どんなことがあっても父さんはずっと花子の味方であることは忘れないでほしい。

  先祖代々受け継がれてきた自宅と仏壇は「跡取り」として一郎に、○×会社の株式は「次期社長」として全株を一郎に相続させることとした。
預金は、花子に相続させることにしたが、兄弟で不均衡になってしまったことは否めない。だけど、どうか理解して兄弟仲良く助け合っていってほしい。一郎は花子のことをよろしく頼む。
2人の父親であったおかげで本当に素晴らしい人生だった。今までありがとう。

いかがでしょうか?
遺留分の問題をのりこえ、さらに兄弟が遺恨をのこさないためには、こういうのも効果的かもしれませんね。