まずは2つの遺言書を比べてみてください。
(内容をわかりやすくするため、あえて法形式にはしたがっていません。)
長男 一郎 自宅の土地建物(価値4,000万円)
会社の株式 (価値7,000万円)
長女 花子 A預金 800万円
長男 一郎 自宅の土地建物(価値4,000万円)
会社の株式 (価値7,000万円)
長女 花子 A預金 800万円
純、蛍、俺にはおまえらにたくさんのものを残してやることはできない。
でも、おまえらには上手く言えんが、残すべきものはもう残した気がする。
家と会社と、少しの預金しか残せんが、本当に残すべきものは伝えた気がする。
花俺が死んだ後の麓郷はどんなか。きっとなんにも変わらんのだろうな。
いつもの様に、春、雪が解け、夏、花が咲いて、畑に人が出ていつもの様に白井の親方が夜遅くまでトラクターを動かし、いつもの様にでめんさんが働く。
きっと以前と同じなんだろう。
俺の会社で純が一生懸命になって、純の家に、たまには蛍が正吉といっしょにあそびにきてくれると嬉しい。純が引き継いだ俺の家で、快や孫たちが遊んでたら嬉しい。
金なんか望むな。幸せだけを見ろ。
ここには何もないが自然だけはある。
自然はお前らを死なない程度には十分毎年食わしてくれる。
自然から頂戴しろ。
そして謙虚に、つつましく生きろ。
それが父さんのおまえらへの遺言だ。
「北の国から2002遺言」のラストで流れる五郎さんの語り(遺言)をフルで引用しております(一部分のみ変更)。遺留分の問題をのりこえ、兄弟が遺恨をのこさないためには、こういうのも効果的かもしれません。