事務所の方針

  1. 税法だけでなく租税法について日々研鑽をつむ

    税務実務は、法律を知らなくても、法人税法や所得税法、相続税法といった個別税法や通達を知ってさえいれば、それなりに仕事が務まってしまうのは事実です。それでも「そこにきちんとした法律解釈や事実認定の光を当てるというプロセスを重視する」、これがわたくしの流儀です。それは税理士にしかできないことだと思っています。だからこそ税理士による申告は、信頼性が全然ちがうんです。

    そのためには難解な租税法の学習が欠かせません。租税法が社会・経済生活上の行為や事実を課税要件に取り込んでいる以上、民法・商法など私法との関わりも避けられません。裁決や事例判決を安易に実務に持ち込むのではなく、判例を丁寧に読み込んで、規範に相当する部分やその射程範囲をしっかりと考え抜くことが求められます。

    だから当事務所は経営コンサルティングができないし、それは今後も変わらないと思います。他の業務はともかく経営と法律はその難易度が高すぎて、わたしには両立できないからです。税理士としてどこに注力すべきなのか、自分なりに考えて結論を出しました。法律の研鑽をおろそかにしてまで、高付加価値サービスを追求するようなことはしないとお約束します。

  1. 保険会社の代理店はしないで、本業で一生懸命になる

    税理士事務所としてはめずらしく、保険の代理店をやっていません。その理由は2つあって、第一にお客様の代理権限をもつ立場にありながら、同じお客様に対し、保険のときだけ保険会社の代理店になって儲けてしまうことに、多少なりとも違和感があるからです。

    つぎに保険のお仕事というのは 、節税をアピールして商品を売り込むんではなくて、お客様の安心と未来をいっしょにプランニングしていく仕事だと考えています。保険はとても素晴らしい制度なんです。ただ、わたしの場合は税金に詳しいだけなので、お客様へご迷惑をかけてしまいます。商品知識だってプロはぜんぜん違います。個人的には、保険は税理士さんより「保険のプロ」に相談した方がいいと思っています(もちろん保険のエキスパートの税理士さんだってたくさんいらっしゃいます)。

  1. モラルや道徳心のない銀行対策はサポートしない

    最初から銀行を敵と決めつけ、強引なやり方を用いた資金改善策は、当事務所では一切サポートいたしません。それよりも、銀行が本気で応援したくなるような会社をいっしょにめざしませんか?
    「年に1回は業績検討会を開催したい、そこに担当者も招待したい」というお客様を全力でサポートします。

    会計を重視し、経営をよくしようとがんばるお客様を間近にみれば、きっと応援したい気持ちが芽生えてくるハズです。そういうところでの会社と銀行のつながりを大事にしていきたいのです(ただし税金の世界は租税法律主義です。義理人情の世界ではございません)。

ロゴに込めた想い

当事務所のロゴマークは、お客様・税務署・税理士の三者をイメージする中で、お客様と税務署の架橋ではなく、法律によってのみ課税を行う孤高の立場を表現しています。

現実はそういかなくても、それでも「日々法律に精通するよう研鑽を積まなければいけない」と自分に言い聞かせることができるよう、あえてこのモチーフにしました。